トップ > 森田療法について
森田療法は、森田正馬が大正中期に開発した世界的なノイローゼの治療法です。不安に対する考え方と不安への対応方法を身につけることで、不安を解決していく治療法です。
薬物療法では望めない考え方の成長が期待できる、薬を原則として使用しない、の2点で特に優れています。最近は薬を使用することもありますが、はじめから薬を使いたくない、種々の理由で薬を使えない、なんとか薬をやめたい場合には有力な治療法となります。
森田療法による治療法は、下記の疾患で有効性が期待できます。
社会不安障害(社会恐怖、対人恐怖症) |
・人前でひどく緊張する |
・人とコミュニケーションがうまくとれず悩んでいる など |
パニック障害、広場恐怖 |
・突然動悸が激しくなり、息苦しく感じる |
・電車や人ごみを避けるようになる など |
強迫性障害 |
・様々なものが不潔に思え、繰り返し手洗いせずにはいられない |
・ばかばかしいとは思いつつもある考えにとらわれてしまう (カギの確認など) など |
慢性(軽症)のうつ |
・憂うつな気分、気分の減退が続く など |
患者さんの希望によって、あるいは患者さんの症状によって、森田療法による指導を行います。必要に応じて、日記指導なども行います。
神経症的症状に限らず様々な精神症状において、医師は、患者さんに森田療法を直接意識させることなく、森田療法的アプローチをとることがあります。
森田療法の「あるがまま」という視点は、うつ病の回復過程に活かすことができます。抗うつ薬を中心とした薬物療法と十分な休養の確保という基本的な治療に加えて、日常の生活の中で、人が生来もっている自然回復力を引き出しながら、うつ状態から抜け出すための機会を探っていきます。